O/Dゲル製剤

 長年クレンジングオイルの使用時に垂れ落ちるといったネガティブ要素が課題としてあります。そこで各社オイル増粘剤を用いたオイル増粘を試みていますが、油系製剤の増粘は技術的にも難しく、長年の課題となっていました(図参照)。

 最近では、界面曲率0を利用したオイル増粘技術が紹介されており、1000mPa・s程度のとろみのある製剤で使用性(使用時の垂れ落ち)を大幅に改善させることが可能になっています。
 チューブ容器を用いる場合はさらなる増粘が必要であり、その方法として、O/Dゲル製剤が利用されています。

 最近、O/Dゲルって最近耳にするかと思いますが、これは結構、昔からある古い技術です。化粧品の製剤技術は大体10年サイクルで巡っています。最新の技術じゃないの??昔の技術は時代遅れで売れないんじゃないの?なんて思う方もいるかもしれません。でもよく考えてみてください。化粧品って「心を満たしてくれるもの」「手に取ってワクワクするもの」といった情緒的価値が最も重要な要素ですよね。要するに「切り口・コンセプト」を変えることで今の時代にマッチした素敵な商品になるのです。若い技術者の皆さんのフレッシュな思考で、新たな息吹を吹き込んでください。

ところでO/Dゲルって何でしょうか?最適なSAAの構造は?連続層はD相だけど、ラメラ液晶なの?っていう具合に、ふんわりと理解しているのだけれども、意外と本質まで理解している方は少ないかと思います。
なので、今回はO/Dゲルエマルション製剤について簡単にお話しします。

<O/Dゲルとは>
◆短鎖型の親水性SAAが適している。
◆連続層(D相)は液晶NG→分離します(油相とゲルの二相分離)。
なので、光学等方性溶液である。
◆高内油相により増粘します(細密充填構造)。
◆なので、油‐水界面膜のパッキングが弱いと合一し減粘・分離します(細密充填構造が崩壊)。
◆なので、粒子径が小さくなるほど粘度が出ます。

こんな感じです。
詳細についてもっと知りたい方は、久光工房 Cosme-Techへご連絡ください。腑に落ちるまで解説させていただきます。


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