O/Wエマルションを顕微鏡で観察すると、マルテーゼクロスが見えるんだけど、これってα‐ゲル?ラメラ液晶?っていう質問をしばしば受けます。悩みますよね。。。でも安定性が良いO/W乳化処方ならこれはα‐ゲルです。
ラメラ液晶とα‐ゲルを比較してみましょう~。これらは共に曲率0。では、違いはというと界面活性剤の相互作用(結晶性)になります。α‐ゲルは結晶性が高く、一般的に外観が白くなります(※水和できる程度の結晶性なので、六方晶構造を形成しています)。親油基の結晶性が高いので、層間に隙間がありません。
一方ラメラ液晶は、バルクに流動性があるので(振るとブルんッと弾性がある)、α‐ゲルに比べ親油基の結晶性が低く、層間に隙間があります。
製剤中で油滴は、層間に保持されています。この処方が、仮にラメラ液晶を形成しているのであれば、親油基の層間に隙間があるので、隙間を伝って油滴が層間に広がっていき、やがてゲルと油相の二相分離を起こしてしまいますよね~。なので層間に隙間がないα‐ゲルじゃないと油滴を安定に保持できません。よって、安定なO/Wであれば、これはα‐ゲルなので。
処方を見ても親水性界面活性剤に加え、結晶性が高い親油性界面活性剤やベヘニルアルコール等の高級アルコールが配合されていますから、処方からもなんとなく予想できます。