回想(その3)

 界面活性剤の曇点現象って、高温で界面活性剤水溶液が白濁することですよね。でも、何故白濁するのだろう??

 紐解いてみると、ミセル溶液が濁るってことは、ミセル径が大きくなって、界面活性剤と水の二相系になってるってことですよね。つまりミセル径が大きくなるってことは、曲率が小さくなる(ミセルが膨潤する)ってことだから、、、云々閑雲。。。

教科書にはその理由が以下のように書かれていますよね。

 要約すると、親水基であるPOE鎖の水和ポイントはエーテル結合部位。ここの水和力は弱いので、温度が上がれば上がるほどPOE鎖の伸縮運動が激しくなり、水分子がその動きについて来れなくなります。その結果、水分子がエーテル部位から外れていきます(脱水和)。すると、見かけ上POE差は親油的になり、ミセル径が大きくなるのです。

 親水基のみだけで議論しても良いのかな?温度が上がると親油基の相互作用も弱まり(溶けて)会合力が弱まるのでは?

 そうなんです。ポリグリセリン鎖を親水基として持つポリグリ系活性剤は曇点がないよね~って思っている人が多いかもしれません。確かに親水基部分の脱水和は起こりにくいですが(OH基の水和力は大きい)、親油基の炭素鎖長が短いもの(親油基の結晶性が弱いもの)には曇点があります。 これらのことを考えると、ポリグリだからと言って油断は禁物です(温度安定性に注意)!!


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